仕事づくり
障害者の仕事を考えることによって、柔軟な考えが生まれます。
経営者から障害者に対して「どのような仕事を任せたらいいのか分からない」「どう接したらいいか分からない」とお聞きします。
当然、現場の上司・同僚(部下)も同じことがいえます。
基本的に障害者は、経営者と職場の皆様のご理解と適切な援助があれば、十分な力を発揮して働くことができます。
理解とは、相互に起こるものであり、一方的な理解を押しつけるのは「誤解」です。
本質的な理解とはまだまだ程遠いのではないかと思います。まずは「知ること」が大切です。
埋もれた才能を生かします。
障害者だから、無理やり決められた路線にはめていませんか。
障害者も皆様(健常者)と同じように人間です。
例えば、相手に言葉で思いを伝えにくい言語障害の方も自分なりの考え・プライドを持っています。
障害者だから見た目で判断したり、障害による特有の行動だけで「一方的に押しつけたり」「否定をしたり」「この程度なんだろう」と決めつけられると、障害者からの信頼感を失いお付き合いができません。
障害者にわがままをさせるようなことは考えていません。
本人も知らずに持っている能力を引き出すこと、仕事をつくり出すことが、我々の腕の見せどころです。
基本として、経営者と職場の皆様が直接、障害者と向き合う姿勢と障害者自身が主体的に働くことを念頭に置いています。
そもそも障害者を下働き的な扱いしか考えていないので「障害者による障害者のためのやりがいのある仕事」を提唱いたします。
※障害の特性でこの条件が入らない障害もあります。
私は基本的に「ジョブコーチ(職場適応援助者)」には反対です。
①人間なのでジョブコーチのスキル・人間性などで当たり外れがある。
②ジョブコーチに限らず、障害者雇用といって健常者の雇用をつくっているように思えます。
これからの日本は人口減少をするので当然、労働力人口も減ってきます。
「外国から労働者を受け入れる」と甘い考えをいっていますが、受け入れられるのはあともう少しで終わりでしょう。
なぜならば、労働人口減と日本政府の借金に加え貿易赤字で国家が破綻したら、外国人は来ません。
障害者が仕事をするために、ジョブコーチがいてもまったく意味がない訳ではありませんが、生産性と効率性が悪いです。今からこの制度を辞めて、ジョブコーチを他の仕事に配置転換させた方が日本のために良いと思います。他にもそういった職種や仕事内容が多いので、本当に必要な福祉の分野に配置転換するべきだと提唱します。
そういう訳で、私は研修およびOJTと決めています。
障害者が仕事を覚えた頃、ジョブコーチがいなくなって、仕事でミスを繰り返したり、不安になって辞めてしまう。または休職するのであれば、こんな制度自体効率が良くないですし、企業側も何かあったときにジョブコーチのせいにしたりするので、障害者を気軽に雇用(使い捨て)させないようにするためと障害者と真剣に向き合ってもらいたいので、研修およびOJTをすすめています。
こういうことがいえるのではないでしょうか。
障害者(お客様)はこう思っているに違いないという勝手な思い込み。
そういった積み重ねが、事実からいつのまにか離れていって、ひいては商品・サービスの提供になっているように思われてなりません。
「柔軟な考えが、さらなる企業を改革・発展させることを可能にする」と確信しています。
治具を知っていますか?
治具とは、加工や組み立ての際、部品や工具の作業位置を誘導し、正しく合わせる補助具です。
一人一人の障害や仕事内容に応じて治具を作成し、仕事の精度とスピードを上げるのに有効です。治具は自立への一助となり、可能性を広げます。
以下は、石倉京氏が考えた「点字棒入れ入力表」です。

高次脳機能障害の方にはとても有効でした。
点字50音表を見ながら点字打刻機に点字棒を入れると、必ず入れ間違えたりします。
点字棒入れ入力表をつくり、点字棒の入れるところを示してあげると、安心して点字棒を入れられるメリットがあります。障害に応じてハードからソフトまで治具を作成します。